Google Maps Engine Lite じゃなくてもよくね?

つか要る?

先日,と言っても随分と前の話になってしまいましたが,「旅行の記録を google maps で起こそう」と思い立ち,
何ともヤケクソなリダイレクトきっかけで,思いもよらずに google maps engine lite に触れる機会へお招き戴きまして. 今更ですが...

そいういうことで,曰く "新しい Google マップ" である google maps engine lite を使ってみた.

結果,
不安でイッパイになった.

というお話.

ちなみに,ココで触れるのは,google maps engine lite で,
google maps engine とは違います.

両者は,仕様や制限事項に結構な差別化がなされている様子.
お間違いなく.

表記について.
ここでは,google maps engine lite 上で作る個人用のマップ,Maps Engine Lite map は,「"新しい" google マップ」とか 「"新しい" マイマップ」 な感じで,
一方のこれまで我々が使ってきた google マップ,"classic Google Maps" とも言ったりしているようですが,のマイマップについては同様に「"従来の" google マップ「"従来の" マイマップ」 と表記しようと思います.
便宜的に.

正直,何が良いのか全く理解できない

"新しい" google マップとされる google maps engine lite.

幾つかの,レビューしているサイトを見ると,皆様絶賛のようですが,
自分にとっては,何が良いのか,サッパリ理解できない.

この度,いつもの作業を一通りやってみて,
結局のところ,"新しくない" google マップ上で作業をすることに.

勿論.
そんな評価なり印象は,google マップというツールで地図情報を,何の目的で,どのように使うか,によって変わってくると思いますが.

今のところ,自分にとっては,
今まで出来ていた肝心な所すべてが,中途半端になり,
要件を何一つ十分に満たしてくれることなく,
挙げ句,今までの同じ作業なんかは,むしろ手間が増える,と.
何の魅力もなく,役に立たないサービスとなったわけです.

何か,紹介ページでアピールしている,こんな便利な機能が実現しました! こんな事もできるようになりましたよ! と言っている機能についても,
返ってくるデータは,結局,何の発見も驚きもない,魅力のないコンテンツばかりで,
自力で探したものの方が精度も満足度も高いような..,と思いながら見てしまう.

どうなんでしょうかね.

google maps engine lite の ガッカリ

じゃぁ,どこが問題なのよ,ってとこ.

"新しい" googleマップ に対して,ガッカリさせられた所は,3 つ.

  1. インポートのファイルフォーマットに kml がサポートされていない.*1

    KML ファイルのインポートは現在サポートされていません。

  2. 15 列 * 100 行 / レイヤ という制限.*2

    1 つのレイヤにつき最大 100 ポイント(最大 15 列)をアップロードすることができます。


    行数が 100 行以内であること。ファイルの行数が 100 行を超える場合は、データを複数のファイルに分割した後に個別のレイヤにインポートしてください。行数が 100 行を超える場合はインポートされないため、地図やデータ ビューに表示されません。

  3. 外出先,自分の場合は iphone なのですが,で使えない.*3

    多数のデスクトップ版の機能をモバイル版でもご利用いただけます。...操作性については現在改良途中ですのでご了承ください。Google ではモバイル機能の開発に引き続き尽力いたします。

勿論,これはこれを書いている時点,2013.10.
今後の version up により,これら問題はもしかしたら,解決なり,拡張されたりするかもしれません.

やってみたこと

具体的に,どんな作業をしたか.

google maps engine lite の "新しい" マイマップを使って,やりたかったことは以下 2 つ.

  1. 旅行の記録を起こす
  2. チェックしている行きたいお店のマップを作る(移行する)

これら作業目的において,"新しい" マイマップの何がダメだったか,を具体的にメモしておきたいと思います.

旅行の記録を起こす

こんなワークフローを妄想してました.

  • step 1. track データを展開する ;
    1. iphone app の myTrack で記録したデータを,kml 形式ファイルで作成.
      ちなみにこの作業は,iphone じゃなく マシン で行う.
    2. "新しい" google maps の map に 1 で作成した track データをインポート.
  • step 2. step 1 の map へ,今度は写真データを展開する ;
    1. picasa web に行き,写真データを整理したアルバムの画像と位置情報を,こちらも kml で用意.
    2. track データを展開した step 1 の map に,3 で作成した写真データ をインポート.

うん,結構スマート.

結果.

...はい,2 でダメでした.

1 ガッカリ ; kml ファイルのインポートはサポートしていない

ここで初めて,先述の ガッカリポイント 1 である kml はサポートされていない仕様を知るわけです.

と言うか,ui に "csv や xlsx を..." みたいな事書いてあるけど,
kml については,あまりにも自明な事なので,ただ単に触れていないだけの事だったり...,とか,と思ってみたのですが.

いや,...あのですね.
それくらいドキュメント読んどけよ,とか言われそうですが,
まさか,google 提供の地図ツール,と言われて kml がサポート外って思います?

ガッカリ,と言うよりは,ちょっとした関心と驚き,と言うのが正直.

2 ガッカリ ; ファイルのインポートは,上限 100 件 (しかも 15 列以内)*4

そう言うことで,csv で試してみよーか,と.*5

そこで この myTracks,
まさか,このコマンドが必要になるシーンに出くわすなんて考えたことなかったのですが,
エクスポートのフォーマットとして csv もサポートされていたりする.
ほんと,良く出来た子です.

で.
これで完璧っ,思いながら,csv をインポート.

すると...エラー...

カラム名称に,使えない文字列がある様子.
csv をエディタで開き,この辺りを調整して,再びトライ.

また,開いて初めて気づいたのですが,
myTracks が作ってくれる csv って,区切り文字が "セミコロン" だったりする.
それじゃ csv じゃないじゃん,とボンヤリ思いながら,それも調整に上書き保存.

今度こそ! と.
完璧だと,ちょっと胸膨らませながら処理を開始すると...

え,エラー... orz

今度は,件数が多い,とな.

もーいいっ!
ここで作業を止め.

そう,これがガッカリポイント,その 2.

この辺りでいい加減,こりゃダメだな,と,ヘルプやら faq に目を通すことに.
色んな,しかも肝心な所につまらない制限事項がございますことを認識する.

先の結果で既に,結構頭にキテいて.
そんな状態でマイマップのリストに戻ったら [無題の地図] とかってさっきの放置した地図が.
気分的になのですが,この存在,何だかバカにされているようで,何かイラッとさせられるので(笑),消してしまおうと,
いつものメンタルモデルで操作したら,... disable になってるし.

マップの中に入らないとダメみたいなのね.
ぬあぁっ,小っちゃいことだけど,何気めんどくせっ.

google maps engine lite の "新しい" google マップは使えない,と言う事はまず分かった

と言うことでして.

この "新しい" マイマップ,残念ながら,自分にとってはの話ですが,使いものにならない,と.
もっと広い捉え方で言ってしまうと,track データなどを含むような大きいデータを扱うには,"新しい" google マップは適してない,となりますか?

google さん側は,
新しい マイマップでは,一度 従来のマイマップにアップして,それを 新しい マイマップ にインポートすれば良い,なんてのたまっておりますが.

...なんだよソレ.って感じであります,はい.

この辺りで,感情的には google maps engine lite は捨てる,という選択に傾くのですが,
個人的な都合で,こんな反応をしている自分について,自分自身どうかなぁ,と思ったので.

他にフィットする利用目的,シーンは無いものか,と考えてみる.

チェックしている行きたいお店のマップを作る(移行する)

個人的には,この使い方が "従来の" マイマップ のメインのスタイルだったりします.

旅行の記録は無理だけど,
この使い方だったら,スマートに利用できるのじゃないかしら,と期待を込めて.

"従来の" マイマップを "新しい" マイマップにインポートする方法だと,結構イケル

で,まず試してみたのが,
"以前の" マイマップ をインポート.

すると,これがあら不思議.
先程,csv でインポートした時,件数多いエラーでハジかれた全く同じマップが,すんなりとインポートされました.
しかも,と言うか勿論と言って良いか心配ですが,マークについては,ファイルからインポートのように全てデフォルトになってしまうのではなく,"従来の" マイマップで使っていたマークと同じもので貼り付きます.

なるほど,先述しましたが,google さんがおっしゃる "従来の" マイマップに一旦展開し,それから,その "従来" のマイマップを "新しい" マイマップにインポートしろよと言うことなのですね.何かどーしても納得いきませんが(笑
この方法を採ると,ファイルを使ったインポートであった数々のトラップが外れ,融通が利くみたいです.
でもあれですね,改行は上手く解釈してくれないようですね.

そこで,更に気になって,先ほど,ダメだと諦めた "旅行記マップ" をこの方法でインポートしてみると,
何と,上手くいった!
ふーん.

これまでの経緯もあり全然期待していなかった分,ちょっとした発見でありました.

と,閑話休題.

google maps engine lite への統合を見据えてのワークフロー

妄想は,こんな感じです.

気になったお店/スポットを見つけたら,... ;

  1. メモを取る.
    これは自分に都合の良い定型フォーマットを決めてメモをとっている.
    ちなみにこの作業は vim で行っており,また先述の "定型フォーマット" 言うのは neosnippet.vim でスニペットとして登録し,それを展開して使ってます.
  2. 任意の機会で,kml に落とし,"従来の" マイマップへインポートし登録.
    メモとマイマップの内容は同期しておく.ちなみに,kml フォーマットへのコンバートは vim 上で script を流すことで対応してます.
  3. 任意の機会で,"従来の" マイマップの情報を,csv に落とし,"新しい" マイマップに放り込む.
    現時点,メモから csv に落とす策のみを用意.時間出来たら念のため kml から csv にコンバートするルートも用意するつもり.

現時点,"従来の" マイマップで充分ですので,
基本 1 と 2 の繰り返しとなります.
地図の内容に更新がある場合は,"メモからスタート,それをマイマップへ",と言う運用.
原則,マイマップ上での,またかマイマップからの変更,というワークフローはしないようにしてます.これは人的レベルの運用として.*6

で,3 の手続きですが.
これは "新しい" マイマップへの移行を見据えてのものです.

google さんは,将来的には,"以前の" つまり現行マイマップは google maps engine lite に統合する,なんて洒落たことを企んでらっしゃるご様子.
正直,やっていただきたくないですが,まぁ彼らのことですからヤルでしょうね.

いつかは,"従来の" マイマップは無くなる時が来る.
このイベントを視野に入れています.一応.

google maps engine lite への移行を考えた場合,"従来の" マイマップにおけるデータの持ち方,見直す必要あるかも

で,ここで挿し込むと,"新しい" マイマップは 100 件/レイヤー なので,
この辺りも考慮しながら情報を看なくちゃいけません.

例えば. 今回試しているのが,レストランや食堂等,食べ物系のお店のリスト.
どうやら 100 アイテムを超えていたらしく,
"新しい" マイマップで扱うためには,現状データの管理方法を調整しなくてはならない. "従来の" マイマップでは,すべてのデータを一つのマップ上に,アイコンとかで区別する等してましたが,これでは 100 を超えるデータが切られてしまう.
と,ここで考えたのが,ひとつ新しい系として,料理の種類って次元を設け,すべてのデータをこれで分ける.そうするとそれぞれが 100 件以内に収まり,1 レイヤーに置けるようになる.そんなレイヤーの集まりで 1 つのマップを構成する.

そのために,"従来の" マイマップも,1 つのマップではなく,
同様に "新しい" マイマップで言う,レイヤー単位でマップを分割.

と言った管理方法を採ることに.

な感じでの,"新しい" マイマップへの移行のために,何らかの工夫なり順応が必要になるかもしません.*7

これで "従来の" マイマップが廃止されるギリギリまで,"従来の" マイマップ上で管理し続けることが出来る,と.
良い事です.

"新しい" マイマップ用のインポート用ファイル作成時の注意点

加えて,ファイルのインポートに限った残念ポイント.
ファイル作成時の注意点として.

  1. 位置情報は,住所ではなく,座標て定義する方が良いみたい.
    どうも住所の情報認識についても何らかの制限があるらしく,ちょっと惑わされました*8
    取得する方法を知ってらっしゃるなら座標を使った方が的確だと思います.実際ここでは住所はダメだったので,座標で用意しました.するとスマートに認識してくれました.
  2. 座標は,経度,緯度で別々にカラムを用意しなければいけない.
    kml だと タグで経度,緯度,標高の順でまとめて定義されているのですが,これを同じ感じで 1 カラムに定義してはダメのようです.経度,緯度,おそらく標高は無くても良いと思いますが,それぞれ別のカラムに分解して定義してやらないと認識してくれません.
  3. 各カラムの記述にある改行は,無効になる.
    ちなみに,これは マイマップ のインポートでも同様.これは結構ガッカリさせられる.
  4. 3 にも関連することでありますが,html タグは解釈されない.
  5. 残念ながら,みんな同じマークになっていまう.*9

まぁいずれにせよ,相当っ面倒臭いwww

そして,モバイルは

で,地図の情報を使うシナリオとして最も重要なのが,外出先などでの利用シーン.

そうそう,ここでは ios を前提として話を進めます.

外出先,移動途中などで,自分のマイマップを呼び出し,その中からプロットしていた行きたい場所を指定し,現在位置からのナビゲーションをしてもらう.

ご存知の通り,iphone app の 'Google Maps' はマイマップのデータを扱えない....未だ.*10

そこで,神アプリ,'マイマップ' は 'My Maps Editor'.
ここで "新しい" マイマップ が見れるといいのだが,と淡い期待を抱いたりしている.

で,結果. ダメでした.まぁ,やっぱりね,ですね.

そして,google maps engine lite のヘルプを見ていて,気になっていたトピックに入ってみた.
タイトルによると,mobile 版があるらしいじゃありませんか.胸膨らむ.

記述通りにアクセスしてみると...

グダグダじゃありませんか orz
確かに,見れます.ところが,モバイル用に最適化されてないんですね.*11

でも「あれ?」思った事がありまして,つい数週間前アクセスした時は,こんな画面出てコンテンツすら展開されなかったような...

逆に,少しずつ改良はされている,という状況を見て取る事ができるかもしません.

操作性については現在改良途中ですのでご了承ください。Google ではモバイル機能の開発に引き続き尽力いたします。

たぶんこう言う事だと思う,な印象

個人的な感覚ですが.

ターゲットユーザーのピントがズレているように思えてならない,と言うより,
自分のような使い方が google マップさんが提供するターゲットからズレている,と言う事になりますね.

上手い言い方見当たらないんで,乱暴な解釈承知で表現してしまうと,
これからの google マップというサービスを,"新しい" と称して,
いわゆるコンシューマ,言うの?,一般ユーザーに対してよか,
ビジネスユースの軸へ重心を移し,そんな角度に傾けながらこのサービスを回して行きたいんだろうなぁ,って.

「あれ? だったらお金払えばいいのにね?」と嘲笑とともに囁かれているようなwww

...んな印象.

google マップは,
地図情報を,メモツールやナビゲーションツールと言ったような "地図" としての使われ方より,
広告や宣伝,そしてプレゼン等と言った,まるで夏休みの課題研究の模造紙に広がる白い地図のような,"資料" としての使われることをイメージしているんでしょうね.

で,自分は違うんだよな,と(笑

ま,いいんですけどね(笑
タダで使わせていただいているんですから*12

うーん,...こんな感じだったら,統合は止めて欲しいなぁ,と思うのが自分の感想.
それぞれ別個のサービスとして残して置いて欲しいなぁ.

と言うより,
「lite版 です」なんて言った持って行き方,
結局,アイテム同志を紛らわしくしているだけだし,中途半端でしかない感が拭えない機能のサービスなんてこそ要らないのに.

なんて.

随分書いてますね.
おしまいです.

*1:google maps engine では kml のインポートできるみたいです.

*2:lite じゃない google maps engine では制限がないみたい...

*3:android は違うかも.知らないけど.

*4:列数制限,これは別の作業で知ったのですが..

*5:つか xlsx をサポートしているとかって,そっちがイタイ.要らないでしょ,excel なんてwww

*6:一応,マイマップから kml エクスポート,それを自分のメモフォーマットへ,の流れも用意はしてますが.

*7:そんなの制限のないマイマップの形でやり取りすりゃいいじゃん,と言うのもあるでしょうが,
アイテムの詳細情報 description の編集作業はマイマップ上でやるのはストレスフルなのでエディタ上でやりたいし,そのためには csv に持っていき,それでやり取りする必要があるので,「マイマップでズドンっ」という方法は採れなかったりします.

*8:実際,住所は位置情報として認識してくれなくて面倒なので,すぐ諦めました.一部には,住所記述でイケテルな報告チラホラ見受けられますが,こう言うのジオコーディング言うの?とは思いましたが,ここではダメでした.どうやらローカライズ上の何らかの壁が影響しているのでしょうか.いや,かもしれません.

*9:デフォルトになる,と言う事かも.とは言え,やり方知らないだけかもしれない...

*10:何で?

*11:android はイケてるのかも

*12:と言うのが,まさに相手の思う所のオチだったりするのでしょうが.